ハイファに戻って

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こんにちは、くろマメです。
今日も、最近読んだ本を紹介します。

ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って』

Haifa - 1

 

主人公は、イスラエル成立期(1948年)の戦争で難民となりハイファからヨルダン川西岸地区に移ったパレスチナ人の夫婦です。
1967年の戦争でイスラエルがヨルダン川西岸地区を制圧すると、この一時期、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人が自由にイスラエルに入ることができました。その機会を利用して多くのパレスチナ人が、自分の故郷の村へ・自分が生まれ育った家へと戻ります。しかし多くの場合、村は破壊されており家には既にイスラエル人が住んでいました。この小説の夫婦もまた、かつて暮らしていた家に住んでいるイスラエル人の家族を発見します。そしてそこで、パレスチナ人とイスラエル人との対話が生まれるのですが・・。

 

この本には他にもいくつかの作品があるのですが私は『ハイファに戻って』に打ちのめされました。パレスチナはいったいどうすりゃいいの? 我々はパレスチナに対してどういう関わり方があるのだろうか? 答えが見いだせず打ちのめされました。表題作のひとつ『太陽の男たち』は映画化されているようですが、映像を見るには覚悟がいりそうです・・。

 

以上、最近アラブ圏文学を発見したくろマメでした。