ミステリ紹介あるある ~タイトルがどれも物騒~

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こんにちは。
最近、酒代より書籍代が多くなり自身が一番驚いています。
少しは図書館で借りて節約することを覚えたい、なぁすです。

 

ということで(?)、今回は最近読んだお薦めの推理小説を紹介したいと思います。
どれもタイトルが物騒なのはご愛敬ということで。

 

■『屍人荘の殺人』 著:今村昌弘
こちらは2019年の12月に映画化されましたので、
タイトルを知っている方も多いかと思います。
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第27回鮎川哲也賞を受賞、このミステリーがすごい!2018年度版、週刊文春ミステリーベスト10、2018 本格ミステリ・ベスト10において第1位を獲得するなど、国内のミステリ小説賞の4冠を達成した本作品。

 

クローズドサークルものの本格ミステリとゾンビパニックホラーが見事に融合した作品となっています。
前情報なしに読み始めましたので、「おお、そうくるかー!」とワクワクした気持ちで読み進めました。

 

ちなみにですが、まだまだミステリ歴は浅いため、
この作品で初めて「フーダニット」「ホワイダニット」「ハウダニット」という言葉を知りました。

 

推理小説で「誰が犯人か?」「何故犯行に及んだか?(動機)」「どうやって実行したのか?(手段)」
どこに重きを置いた作品か、という意味になるのですが、
これを推理に展開して会話が進んでいく場面があり、パターンの提示と否定、その応酬が面白かったです。

 

『魔眼の匣の殺人』というシリーズ2作品目も既にでており、
こちらはまだ未読ですので、楽しみにしています。

 

映画も見ましたが、かなりコミカルに仕上がっており、
原作小説とはまた違った面白さがありましたので、気になる方は是非ご覧ください。

 

脚本を手掛けたのが、ミステリー作品に定評がある蒔田光治さんのため、
緊張感とシュールな笑いが同居する「TRICK」シリーズが好きな方は、とても楽しめると思います(笑)

 

■『紅蓮館の殺人』 著:阿津川辰海
こちらもクローズドサークルものの本格ミステリ。
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館に迫る山火事。館の吊り天井で圧死した少女。
これは事故か殺人か。真相を解き明かし、絡繰だらけの館から脱出しなければなりません。

 

大がかりな吊り天井を使った物理トリックと意味ありげな描写、伏線の回収が見事だと感じました。

 

登場人物に癖があり、これがトリックを面白くする一方で、
探偵とは何か?助手の在り方とは?といったテーマを演出しており、ほんの少し蛇足かな?とも感じましたが、
物理トリックと伏線回収は本当に圧巻。
個人的には『屍人荘の殺人』よりこちらの方が好みです。

 

■『アリス殺し』シリーズ 著:小林泰三
夢の世界(不思議の国)で役を演じている人物が死ぬと、その人物は地球でも死んでしまうー。
 ダウンロード (2)

 

仄暗いダークファンタジー×本格ミステリ。
ファンタジーとミステリの相性の良さが垣間見える本作品。
こちらは上記で紹介した2作品とは異なり、叙述トリックを楽しむ作品となります。

 

この作品の特徴は、夢と地球はリンクしているという、独自の設定を前提として成り立つトリック。
この設定が故に話が複雑に絡みあい、気を抜くとすぐに話に置いていかれます(笑)

 

またビックリするほど会話のみで話が展開していきます。
その会話も不思議の国の意識した堂々巡りの言い回しが多く、
この部分は好き嫌いがはっきりと分かれてしまうかもしれません。

 

ただし、ラストの怒涛の展開と衝撃はすさまじいです。
してやられた、騙された!と言いつつ、何故か爽快な気分になります。
ただし、描写がかなりグロテスクなため、苦手な方は注意が必要です。

 

現在『アリス殺し』に加え、『クララ殺し』『ドロシイ殺し』の3作品あります。
このシリーズに関しては、前後で話が繋がっていますので、
もし興味がある方は『アリス殺し』から読み始めることを強く推奨します。

 

以上、3作品紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
もし興味が沸いてきた方は、是非読んでみてもらえたら嬉しいです。

 

では。