こんにちは! なぁすです。
気が向いたときに趣味で小説を書いています。いわば、週末作家です(あくまで自称)。
今回は、そんな私の創作活動を裏で支えてくれている、デジタル書斎ともいえる執筆環境について、少しマニアックにご紹介させてください。
きっかけは「もしも」の不安 – Evernoteからの移行
以前、私は小説に関するあらゆる情報――登場人物のプロフィール、世界観、プロット、そして書きかけの原稿まで――すべてを「Evernote」に保存していました。
思いついたことをすぐに記録でき、非常に便利なツールだったのですが、ある日ふと、こんな不安が頭をよぎりました。
「もし、サービスが突然終了したら? もし、何かのトラブルでデータがすべて消えてしまったら?」
もちろん、それは考えすぎかもしれません。
しかし、何年もかけて書き溜めた物語の世界が、自分以外の要因で失われる可能性がある、という事実は、創作者として無視できない不安でした。
データを「自分の手元」に置く – ローカルファーストという選択
この不安を解消するため、私はデータの保存方法を根本から見直すことにしました。そしてたどり着いたのが「ローカルファースト」という考え方です。
これは、データが特定の会社のサーバー(クラウド)上ではなく、まず自分のPCやスマートフォンの内部(ローカル)に保存される仕組みのこと。これなら、たとえ使用しているアプリやサービスに何かあっても、自分の作品データそのものは手元に残り続けます。
この思想を体現したツールとして、私が選んだのが「Obsidian(オブシディアン)」でした。
分散したデータを繋ぐ – Dropboxによる「どこでも書斎」
しかし、ローカルファーストには新たな課題も生まれます。
PCで書いた原稿の続きを、外出先のカフェでiPadで書きたい。通勤電車の中で思いついたセリフを、スマホで書き留めておきたい。
データが各端末に分散してしまうと、「最新のファイルはどれだっけ?」という問題が発生します。
そこでこの課題を解決するために、クラウドストレージの「Dropbox(ドロップボックス)」を利用することにしました。
Dropboxの中にObsidianの保管庫(Vault)を丸ごと設置。
こうすることで、PC、iPad、スマートフォン、どの端末でObsidianを開いても、常に最新の状態のデータにアクセスできる状態が完成しました。
なぜObsidianなのか? – マークダウンと「最強のプラグイン」
ここで、こんな疑問が湧くかもしれません。
「ローカルのファイルをDropboxで同期するだけなら、別にObsidianじゃなくてもいいのでは?」と。
おっしゃる通りです。
しかし、私が数あるエディタの中からObsidianを選んだのには、決定的な理由があります。
それは、AIとの相性が良い「マークダウン形式」への特化と、圧倒的に強力な「プラグイン」の存在です。
Obsidianのデータは、すべて.md
という拡張子のシンプルなテキストファイル。
これは、AIが最も得意とする形式の一つで、将来の技術進化にも柔軟に対応できます。
そして、その真価を最大限に引き出すのが「プラグイン」です。
私が特に重宝しているものを少しだけご紹介します。
Remotely Save
Dropboxとの連携に使用しています。手動更新にはなりますが、意図せぬ競合を防ぐため、あえてこの形を取っています。
Obsidian Copilot
執筆フローを面白くしているのがこれです。利用にはChatGPT等のAPIキーが必要になりますが、その価値は十分にあります。
私が特に便利だと感じているのは、よく使う命令(プロンプト)を自分で自由に作成し、保存しておける点です。
例えば、「このキャラクター設定にあった言い回しに変更して」とか、「この情景描写を、より詩的な表現に書き換えて」といった自分専用の命令をあらかじめ作っておきます。
そして、推敲したい文章を選択した状態で、その自作プロンプトを呼び出すだけ。すると、その場でダイアログが立ち上がり、AIが調整した新しい文章を瞬時に提案してくれるのです。
ブラウザとObsidianを行き来する必要なく、執筆作業に集中したままAIの力を借りられる。この快適さは、一度体験すると元には戻れません。
まとめ:自分だけの最強の執筆環境を求めて
今回は、私の趣味である小説執筆を支えるデジタル環境について、その変遷と理由をお話しさせていただきました。
- データの永続性を求め「ローカルファースト」のObsidianへ
- マルチデバイスでの執筆を実現するために「Dropbox」で同期
- AI連携など、無限の可能性を秘めた「プラグイン」がObsidianを選ぶ決め手
この環境があるからこそ、安心して、そして楽しみながら創作活動を続けられています。
複雑な情報を整理し、新しいアイデアを形にするというプロセスは、実は普段の仕事にも通じる部分がたくさんあると感じています。
趣味で培ったこのスキルを、業務でも活かしていきたいです。
次は、私が書いている物語……ではなく、会社の面白いお話をお届けできればと思います!
(もし同じように創作活動をされている方がいたら、ぜひ情報交換しましょう!)